Spell Down スペルダウン 発売元 モノセロス 機種・その他 Ｗｉｎ　ＡＤＶ　１８禁　 2006年8月11日発売　 7980円(税込) 個人的評価 総合評価 ★★ 悪くはないが、ゲームとして色々と辛すぎる。 シナリオ ★★ かなり１本道なので、ボリュームが薄く感じられる。 グラフィック ★★ 綺麗な絵とどうしようもない絵の落差が激しい。 音楽 ★★★ 普通。可もなく、不可もなく。 ボイス ★★★★ 皆、上手いです。フルボイス。 システム ★★★ シンプル。既読のみスキップ。音声の個別ＯＮ・ＯＦＦは良い。 キャラクター ★★★ 悪くはないが、攻略キャラが３人と少ない 難易度 ★★ 　選択肢も少なく、話も１本道なので簡単。 脇カプ度 ☆ - 備　考 城島　真人 主人公。元チャンピオンだが、今は用務員。 　ＣＶ：野島健児 大谷　陽介 ボクシングを愛する無邪気な少年。　CV.阪口大助 佐々木　健次郎 ジムの経営者の息子。人当たりがよく穏やかで主人公の良き理解者。　CV.石川英郎 音羽　勇二 財閥の息子でチャンピオン。冷酷。CV.緑川光 ここが○ ボーイズゲームでボクシング物という珍しさ 燃えを狙ったような展開 ここが× 躍動感出そうとして失敗した感のある演出過多 前半に選択肢がなく、平坦で長い 主人公の影が薄め 公式のストーリー紹介となんか印象が違う ストーリー紹介 寂れかけた古いボクシングジム･･･佐々木拳闘倶楽部 そこで研修生に馬鹿にされならも黙々と掃除をする男、城島真人 彼は７年前までチャンピオンとしてその名を馳せた人物である。 しかし、今は見る影もない。 誰も彼がチャンピオンであったことも知らない。 うだつの上がらない用務員、それが今の彼だった。 ところが、ボクシングを捨て覇気のない人生を送る彼の前に １人の少年が現れた。 少年の名は大谷陽介 高校３年間インターハイで優勝した未来のチャンピオンとも言うべき人物だ。 彼は佐々木拳闘倶楽部の新しい研修生だった。 無邪気にボクシングを愛する大谷は持ち前の明るさですぐに皆にとけ込んだ。 そして、少年との出会いが全てを捨てていた城島の運命をも変えていく･･･。 果たして、彼は再びリングに立つのか･･･？
	その他・感想 スタンプアウトのスタッフが送る熱きボクシングＡＤＶ−！ と、いうわけで期待してやったわけですが･･･。 が！ ・・・なんか・・・これは・・・ちょっと・・・。 シナリオ 本筋はちょっと一昔前の少年漫画ちっくでいいなーという雰囲気です。 が、しかし。 前半が辛い。 前半２時間くらい、一切選択肢が出ません。 しかも、２時間中主人公の出番は・・・５分くらい･･･？ それじゃあ、その間何が出てるのかというのと主に脇役キャラ・・・というか・・・通行人Ａ・Ｂ・Ｃみたいな適当っぽい作りの不良の話です。 彼らは主人公のボクシングジムに所属してて、ちょい落ちこぼれ気味。 そんな３人の友情と日常と落ちこぼれた理由や今の心情がこれでもかという程、微に入り細に入り描写されます。 やりながらあまりのつまらなさに、作った人は本気でこれが面白いと思ってるのか？と考えてしまいました。 時々、無邪気少年の大谷が出てくるのが救い、みたいな状態で。 後々の話に説得力を持たせるために入れた話なのだとは思いますが、冗長すぎ。 視点が不良３人や大谷で、ほぼ主人公が出てこない意味もわからないです。 もう、初めて選択肢が出てきたときはそれだけで嬉しくなるくらいでした。 その後は物語が急展開し、主人公も出てくるようになりましたが。 古めの少年漫画系展開は割とありきたりで、驚きはなかったですがそこそこ楽しめました。 ただ、全体的に１つの話としてはどうなのかな、という気もしましたが。 前半、脇役の話、中盤主人公の話(ここまで共通ルート)、終盤急に恋愛話という感じ。 お話としては共通部分で終わっても何ら問題はなくて、最後の方に“ＢＬゲームなんだから恋愛付けとかなきゃ！”と言わんばかりの展開なんですよね。 前半と中盤と終盤が剥離してる。 あと、説明的すぎるシーンが多いのも難。 前半の脇役シーン２時間･･･プレイヤーの良く知らないうちにゲーム中の時間は１年近く過ぎていたらしく、キャラの会話で知るという有様。 １年近くの描写内に主人公が５分・・・。 そういう適当っぷりは個別ルートでもあって、落ち込む彼を○○が慰め、二人は友情を築いていったのだった。そして数ヶ月が経った・・・みたいな説明が・・・。 いや、恋愛ゲームなんだったら、その慰めてる所とか、打ち解け始めた所とか見せてくれなきゃ意味ないのでは？ あらすじ読んでるんじゃないんだから、と突っ込みたくなりました。 システム 妙にシンプルなウインドウがちょっと味気なかったかな。 いつでもセーブ・ロード可 既読のみスキップ有り 音声は個別にＯＮ／ＯＦＦ可 ＣＧ，回想モードあり。 グラフィック お！格好良いじゃん！みたいな絵もある。 あるよ。 あるんだけど・・・どうしよう、コレみたいな絵もあるし・・・全体として見るととても綺麗とは言えません。 公式サイトに載ってる絵なんかはその“格好よいじゃん”の方です。 試合中の観客の絵がとにかく酷かった。 あれなら私でも描けるかもしれない、と絵が下手な事を自負している自分が言いそうになるくらいに。 バラツキがありすぎて惜しいです。 あと、相変わらず狂気に走った人の顔は上手い。 今回も怖くて素敵でした。 さて、前作スタンプアウトでは映画のカメラワークを真似た様な演出が時折あって、見事にゲームを盛り上げていました。 ＯＰの銀行立て篭りとかその辺りが。 で、今回もそれをやろうとしたっぽいです。 止め絵だらけのＡＤＶで動きのある画面を目指したっぽいです。 ・・・何故、っぽいと言うかというと・・・意図はわかるが成功してるとは思いにくいから。 時折、動きのある演出があるのは盛り上がりますよ、確かに。 でもね・・・常にそれはあまり良くないと思う・・・。 前半と中盤までのシーン。 とにかく画面が落ち着きないです。 キャラの立ち絵がバストアップ、顔アップと頻繁に切り替わる演出は・・・動きがあるというより鬱陶しい。 試合シーンも臨場感を出したいのは良くわかりますが、キャラの遠景近景をワンクリックごとに繰り返し、パンチの絵を右左、右左・・・とせわしなく動かされると目がチカチカします。 イベントグラフィックも全体と一部アップを素早く何度も切り替えたりするので。 正直、３Ｄゲームでも酔った事ないのに２Ｄゲームで酔うハメになるとは思いませんでした。 大谷が殴られた時とか、リングで選手が倒れる描写とか・・・あの辺りはいいなーと思ったのですが。 ああいう演出は嫌いじゃないけどピンポイントで使うからこそ効果的なのであって、あそこまで頻繁だとそれこそ目がチカチカするし、演出過多だと思います。 あと、ブラッディという悪役オッサンキャラ(ＢＡＤエロ要員)がいるのですが、この顔が恐ろしく効果的に描かれていました。 先程の過多な演出と相まって、本当に鬱陶しい！ 出てくるだけで、なんかイヤな気分になるくらい(笑) ここまで憎まれるとはヒールの鏡ですね。 この絵の人は狂気に走った顔とか、グロイ顔(前作の死体とか、今作の試合でボロボロ状態とか)が上手いですよね。 本気で怖い時あるし。 感想 なんとも、コメントに困る感じのゲームでした。 ボクシングを題材とした燃え系ＢＬゲームってのはいいと思うんですけど･･･それ以前の前半にノックアウトＫＯくらった気分だったので。 主人公がボクシングを再開するシーン辺りはちょっと燃えたのも事実です。 ただ、やっぱりむやみやたらと描写されていた不良に比べると主人公の心情とかが薄い。 うだつの上がらない主人公が強さを取り戻す辺りが醍醐味だと思うんだけど・・・なんか・・・いまいちで・・・。 演出も盛り上げたいのはわかるんだけど・・・目が疲れただけだったし・・・。 スタンプアウトみたいに、良く考えるとおかしいけど上手く乗せられてしまった！っていうのの真逆の感じでした。 ここでこう思わせたいんだろうなって意図はわかるんだけど、乗れない・・・という。 萌えもなかったし・・・というか、終盤の急に恋愛モードまでは少年漫画系一直線でＢＬっぽくないんですよね。 皆ボクシング一筋で恋愛とかどうでもいいし！とか言いそう。 それだけに終盤の展開が浮いてたし・・・。 あ、大谷は可愛かったです。本当に本当に！ 萌えー、というより普通に好き。 いい子だなあと。 主人公受けが好きなのですが、この子を幸せに出来るなら攻めでもいいよ！っていうか普通に敬愛とか親愛でいいじゃんと思ってました。 私には合いませんでしたが、あの臨場感を出そうとした演出とかが合えばかなり白熱してもりあがるのではないかと思います。 正直、大谷の初戦の時はちょっと燃えたし。 好き好きあると思うので、お勧め！とは言い難いですが。 2006.12.15記 ネタバレ感想 うーん・・・語ることがあんまりない。 と、いうのも・・・この話、途中から先が見え見えなんだもん！ 卑劣な手段によりリングに戻ることを余儀なくされた主人公。 対戦相手は主人公の大切な後輩を潰した冷酷なライバル。 しかも、主人公を恨んでいる。 主人公が戦いを決意した瞬間はちょっと燃えた。 燃えたけど・・・その後ってどう考えても主人公が勝つとかして・・・熱く拳を交えた二人は和解！っていう二昔前くらいの少年漫画っぽいノリが予想出来てしまうのです。 加えて、冷酷なライバルが攻略キャラとなれば尚の事・・・。 試合シーンは緊迫も緊張もしなかったです。 選択肢も答えが見え見えで、ああこれ選べば勝つんだろーなーと。 分岐も特にないし。 試合シーンもなんか無駄に長すぎて疲れた印象だったしなー。 しかも、試合を観戦してる仲間たちが何かあるたびに顔のカットイン付きで 「ああっ！」 「いっ！」 「うぉっ！」 「えぇっ！」 「おーっ！」 とかワザとらしく悲鳴をあげるのも鬱陶しくて仕方なかった。 笑い取ろうとしたシーンのかもしれないですが、あんなに盛り下がる描写もないんではないかと思いました。 それが１度じゃないから疲れるんだ、また。 さて、それはともかくライバルが後輩のお見舞いに行く時の主人公とのやりとりは結構楽しかったです。 荷物だらけの物持ち役主人公とかね。 けど、その描写も短くて。 主人公が落ち込んだ時は、このライバルが慰めたりして親交を深めたよ、と１，２行で説明されしまった日には・・・どこで萌えろと？ もう３行目には恋愛モード入ってました、みたいな感じだったし。 佐々木さんは嫌いじゃないが、薄かった。 実は前から好きでしたー！じゃあ、くっ付いちゃえ！以上、みたいな。 唯一良かったのは大谷っ！ いやぁ、この子は可愛い。 一途で一生懸命で。 主人公攻めでもいいやと見ましたよ！(Ｈシーンはマウス連打したけど) 幸せになってねー！ 彼のシナリオは割といい方だと思います。 足の怪我を治そうと共に努力し、挫折し、思いやり・・・意識し始め・・・ハッピーエンドって。 王道ですが良い話です。 あと、個人的に一番好きなのは村田ー！ ギャグＢＡＤの時のはっちゃけぶり(主人公の気持ち悪いジョリエット最高です！)とかエロＢＡＤの時の鬼畜っぷりとか・・・。 主人公、この人と幸せになっちゃえばいいのに！ ギャグＢＡＤの後は・・・いつか彼に落ちるといい！ 全体的には非常に微妙なゲームでした。 嫌いじゃないけど・・・読み終わった漫画みたいにさらっと記憶から消えそう。