転生學園月光録 (てんしょうがくえんげっこうろく) 発売元 アスミックエースエンターテイメント 機種・その他 ＰＳ２ 7,140円 学園伝奇アドベンチャー ２００６年１１月２２日発売 個人的評価 総合評価 ★★★ まあそれなりに楽しめる。難も多いですが。 シナリオ ★★ 盛り上がりに欠け、平坦。のんびり学園生活。 グラフィック ★★★★ 絵が綺麗で豊富。 音楽 ★★★ 普通。可もなく不可もなく。 ボイス ★★★★ フルボイスです。皆上手い！ システム ★★ アドベンチャーパートも戦闘パートももっさり重い。 キャラクター ★★★★ 皆、個性豊かで魅力的。前作キャラはちょっと変。 難易度 ★★★★★ 割と力押しでいける戦闘。しかし、キャラＥＤフラグは厳しい。　 脇カプ度 ★★★★★ 仲間内に確定１つ。ルートから外れると激しいのが１つ。 その他キャラもやたらくっつけたそうな雰囲気ビンビンです。 備　考 草凪　八雲 主人公。高校２年生。ボイスなし。名前変更可。能力はあるが魂神の現れない特異体質。 結崎　亮 明るく軽い親友ポジション。６年程前まで天照郷に住んでいた。　ＣＶ：鈴村　健一 館脇　道文 周りに振り回されやすいメガネの優等生。彼女持ち？　　ＣＶ：櫻井 孝宏 剣持　昴生 強いが協調性ゼロ。魔を激しく憎んでいる。 ＣＶ：保志 総一朗 仁科　麒一 主人公の後輩。人懐っこく主人公を慕っている。忍者の家系。　ＣＶ：下野 紘 女の子キャラも可愛かったけど、人数多いんで省略〜。 ここが○ 絵が綺麗。 キャラが魅力的。 ここが× 脇カプ満載、鬱陶しい。 システムが重い。 シナリオが盛り上がらない。 主人公が時々放置される。 ストーリー紹介 富士の裾野の隠れ里･･･天照郷。 そこには魔を倒す為の人間を育成する学園があった。 天照館高等学校 主人公、草凪八雲はその高校に通う２年生。 つい最近、力が目覚めたばかりだった。 しかし、力を持つ者に本来現れるべき魂神というものが出てこない。 主人公は、交流のある都会の月詠学院への交歓学生にと選ばれる。 設備の整ったそちらの高校でなら主人公の謎も解けるのでは、という狙いもあった。 月詠学院で過ごす１年間･･･。 果たして主人公に待ち受ける運命は･･･？
	その他・感想 買いました〜！ 転生学園というゲームは(そこそこ有名な)魔人学園シリーズのまがい物的ポジションで発売されたシリーズです。 扱う内容がジュブナイルで被ってたり、戦闘や会話での受け答えを感情で表すシステムなんかがそっくりです。 そして1作目は主人公が徹底的に虐げられるということでちょっと有名。 平たく言えば無視です、無視。シカト。 そこにいるのに相手にされないという悲しさで私もクリア翌日に売り払った心に残るゲームでした。 さて、その第二弾。 買おうってのは余程の物好きだね、フフン！と思っていたらシナリオライターさんが幻想水滸伝２の人になると聞いて･･････買ってしまいました。 シナリオ なんというかやたら平坦で盛り上がりに欠ける話でした。 戦闘とだらだらした日常を繰り返すのみで話が進まない。 一言で言うと内容がない。 まったりした日常部分の会話は笑えることも多く、キャラが魅力的で女の子も可愛いので楽しいです。 しかし、小さな事件が少しずつ大きな事件へ繋がったり･･･とかしません。 あらすじを書けって言われたら困るほど中身がない。体育祭やって合宿やって戦って･･･みたいな。 これで本当に幻想水滸伝の人なのか？と疑う程。 もちろん、前作のように主人公が疎外されまくったりはしませんが、目立たないです。 主人公らしく謎があったり、やたら強かったり、皆に慕われまくったりとかしません(謎はあるんだけど物語にあまり出てこないし)。 仲間には入ってるけど主役じゃないという感じでしょうか。仲間Ａみたいなポジションです。 挙句に仲間内には幼馴染同士で常に一緒にいてべったりな男女(両方とも攻略キャラ)がいたり、後から出てきた美少女が主人公以外の男キャラに惚れたり(これも両方とも攻略キャラ)と･･･主人公イイトコない！目立たない！ ええもう、クリスマスなんか見事にその他のメンバーまでほぼ全員男女で組み合わせ作って散っていってしまう始末です。 主人公は組み合わさったカップルの間に入れてもらうような切なきポジション。 誰かー構ってーー！ 主人公だけが世界を救えるのだ！とか主人公の為なら命も賭けられる！とか言ってくれーー！ ジョウイやナナミやグレミオみたいのはいないのかー(※月光録のライターさんが書いた割と有名なＲＰＧにいた主人公を大好きなキャラ) あと全体的に感情入力する回数が少なめなのが、主人公の疎外感をアップさせているような気もします。 声は掛けてくれるんですけど、返答する機会がないもので。 特に終盤３話くらいは1回も返答させて貰えずに話が進むので存在感が希薄になります。 男キャラに構おうとするとやたらと変態扱い食らうのもちょっと辛いところ。 ジェットコースターに男キャラと乗ろうとしたら仲間一同から危ない人かのようにドン引きされて凹みました。 友達とジェットコースター乗るのは引かれるようなこと？ 唯一、クラスメイトの女の子が主人公にとても好意的なので、それが救いといえば救い。 ですが、全体通してははっきり言って退屈な話でした。 燃えバトルとかないし。 色々なキャラの事情や謎や伏線も投げっぱなし放りっぱなしで解決しないし。 主人公が主役っぽく報われたり、構われたりするのはラスト１話のみです。 ちなみに前作キャラはガンガン出てきます。 月詠連中は先生として活躍。 それでもどのキャラもあまり前作主人公には触れませんし、知らないうちに前作攻略キャラ同士が付き合ってたりもするので人によっては嬉しくない特典かも。 システム 凄く悪くはないが、どれもこれも著しく平均以下という印象。 スキップは既読未読判別しない全スキップの上にいまいち遅いです。 選択肢の受け答えが主に感情(愛・友・同・怒・悩等)で表す魔人系システムなのですが･･･読み込みが遅いのかワンテンポ遅れます。 全体的に動きが遅くもったりした感じが地味にストレス。 キャラクターの動きがいちいちアニメーションするのはなかなかいいな、と思いますがこれもテンポを下げる原因の１つかも。 あと、この感情入力システムとプレイヤーの感覚に違いがあるみたいでどうにも上手くいかないのも問題です。 例えば、初めて会ったキャラに友好的に挨拶しようとして(友)を選ぶと“馴れ馴れしい”とか“呼び捨てにした”と嫌われたりします。 どないしろっちゅーねん！ また、男キャラとナンパをする時も“可愛い女の子と思い出作るぜ”みたいな会話の流れで、プレイヤーが女の子と愛を育む気満々で(愛)を入れたとしても･･･主人公は男キャラ自身に愛を囁いたらしく･･･周りからドン引きされます。何故？ そんなこんなで基本的に(同)ばかり選択する無難男になるか、皆に変態扱いされる(愛)囁きまくり男になるか･･･というなんか嫌な感じ。 もっとも、ごく稀にこの感情システムに遊びがあって選択する感情がほとんど(嫌)になっていたり(パン)になっていたり、ボケたキャラへのツッコミの意味で(突)が出てきたり･･･と笑えます。 この試みは大分面白かったので、もっと頻繁に出てきたら良かったんだけどな、という感じ。 尚、声は今回からフルボイス仕様となり、それだけはまともな改善点の1つ。 戦闘時の掛け声等はＡＤＶパートと同じく読み込みが悪いのか、ワンテンポ遅れますが。 そして戦闘。 システムは一見オーソドックスなＳＲＰＧなのですが、全体の動きがもったりしていて疲れます。 敵の動きがやたらと遅いので敵ターン中がとにかく暇。 本読んだりテレビ見たり、他の事をしたくなる程度には。 レベルが上がっても攻撃力など直接戦闘に関するパラメータがほとんどアップしないためにレベル上げする意味がありません。 逆に言えば、無駄なレベル上げをしなくても戦闘が進められるということですが。 ただ、レベルを上げようが上げまいが、魂神(各キャラの必殺技みたいの)の自動発動によって仲間の攻撃で仲間が死ぬことがあります。更に敵に殺される率よりも混乱した仲間に殺される率の方が高かったり、と戦闘関連はストレスだらけです。 前作の方がある意味楽だったかも。 今回、攻撃力などは強い武器を装備することでしか上がらないようなものですから。 グラフィック 絵だけはいいです、このゲーム イベントグラフィックも立ち絵も、必殺技絵も綺麗。 立ち絵の表情はたまに微妙なのもありますが及第点。 感想 前作をプレイした上での感想としては、前よりはマシ！ 以上。 という感じでしょうか。 仲間に構われるようになったのは非常に嬉しいのですが、相変わらず影が薄めです。 挙句に主人公がプレイヤーも知らぬトリッキーな行動をとりまくっているらしく、選択肢で何をやらかすのかと不安で仕方ない。 戦闘はシステムそのものがダメでストレス仕様だし。 脇カプ多いし、主人公が皆に慕われまくるとか無いし！ そもそも、攻略キャラ同士が勝手にくっついてるって、そりゃどーいうことじゃーーー！ 結論としてはあまりお勧めしないです。 序盤は割と良かったのですが、それでも平坦で退屈だったし、後半は連戦＆選択肢少ないので苦痛に近かったです。 ラストだけはとってつけたようなフォローで主人公が皆から愛されまくっていたので･･････それだけが救いと言えるような言えないような。 ただその待遇を最初からやっておいて欲しかったと思わずにはいられません。 ･････････でも、このゲーム嫌いじゃないんですけどね(えっ！)。 多分ラストのフォローが効いたのだと思います。 2周目やろうかな、という程度には好きかも。 ネタバレ感想 あまり感想という感想もないのですが、前作のセーブデータを読み込んだにもかかわらず、前作でＥＤを迎えた御神が前主人公の事に全く触れてくれないのが切なかったです。 一緒に旅立ったはずなのに、何故君は教官なんかになっているんだい？ 他のキャラもほぼ前作主人公について触れてくれないのが残念です。 まあ、あまり前作キャラが出張っても仕方ないし･･･と言うには他のキャラが出まくってるしなあ。釈然としないや。 他は仲間内に脇カプが多いのがとにかく鬱陶しい。 それでも、辛うじて兄妹に近い(あと何年かすれば恋人になるだろうけど)光とミッチーはまだ許容範囲ですが、途中から出て来て命を賭けるほど惹かれ合う親友と儚い美少女夕はちょっと･･･。 主人公だってその子のこと庇ってるのに、何故か親友の方に惹かれちゃうんですよね。 納得いかないぞーー！ こっちは夕を庇うのに剣持とバトルまでしたってのにーーー！！ でもって命を賭けて親友を助けようとする様は感動的･･････だと思うよ。 これが落としゲーでさえなかったらねっ！ 普通は主人公に惚れるでしょうがーー。 しかも、その話は当然選択肢もなく、親友と女の子の恋愛ワールドをただひたすら傍観させられてるだけなので退屈＆不快でした。 庇わなかったときだけ親友と付き合うパターンにしてくれればよかったのに･･･。 仲間の友人二人共に恋人が出来ていくのを隣で寂しく見ている独り者の主人公の図って･･･切ないです。 挙句、その女の子の献身的な姿に心動かされた親友は戦いへ臨む覚悟を決める、と。 あ、そうですかー。ご勝手に。 親友と仲が良かったので(親友ＥＤ狙い)、そんなノロケ話をわざわざ聞かされる羽目になって余計に疲れました。 挙句に孤児である主人公に対して何の配慮もない無神経発言を2度もするし(親友は家で親からの修行が厳しかったので、いっそ主人公が羨ましいとか言う)。 友人二人共に命を賭けられるような女の子がいるという状態では･･･彼らを落としても楽しくなさそうだしなー･･･。 友情って言葉はないのかよー。 ナナミとかジョウイとグレミオみたいのないのかよー(グレた)。 あと余ってる独り者は、非戦闘員の優しいヒロインと気の強い仲間の女の子だけです。 どっちも可愛いから好きですが。 このテのゲームって、男キャラと熱い友情育めます、ってのも結構ウリの1つだと思ったんだけどなー。 友情好きとしてはちょっと悲しい展開。 主人公に彼女がいた上で、友人達が独り者とかなら別にいいんだけどさーと我侭言ってみたり。 あとは故郷の先輩や後輩はいい人達なんですが、出番があまりないのでプレイヤー的には触れ合うチャンスがなくて親しくなった気がしないのも残念。 そういや故郷の人達は独り者だったっけ。 故郷に帰らせてーー！ 先輩や後輩と仲良くしてくるーー。 交歓留学取り消させてーー！な気分です。 前作と真逆だ。 なんとなく、最初から全てのキャラが適当にくっつくように配置されてる感じもしますしね(少女マンガでよくある。余ったキャラは全部くっつけて、最後はカップルだらけになるような世界。)。 もしくは話の展開上で燃えられれば･･･そういうのは全くどうでもいい要素になるんですが･･･。 終盤まで主人公は別に命を賭けて世界を救う運命の人でもないし、格別強いわけでもないし(戦闘ではむしろ弱い)、親友のお相手みたいに問答無用で主人公を慕ってくれるキャラがいるわけでもないし。 孤児とかいう設定が生かされているわけでもないし、もったいぶった主人公の能力がドラマチックに物語を盛り上げるかと思ったらそれもずっとないし。 そもそも、他のキャラと違って験力はあるのに魂神が出ない特殊な少年という設定だった主人公。 敵の中ボスを倒すのに秘められた力が発動して･･･おおお！盛り上がりそうじゃないかーー！と思ったのに誰も構ってくれないんですが。 もっと驚いて欲しかった･･･。 で、次の話で話題に上るかと思いきや(少しは触れられてたが)友人の痴話喧嘩に丸々１話割かれて終わった･･･。 何故ー？ もったいつけた能力がやっと出たとなればそれで盛り上がるのが普通のはずなのにー･･･とかなりの理不尽さも感じました。 ラスト１、２話でオチだけ語るかのように、主人公には凄い力が！とか皆の為に命を賭けて！とか言われてもなー。 とか、言いながらそれでもラストのエピソードにかなり満足してしまったのですけどね。 一人で行くという主人公を止めに来た親友とか。 この時だけは(愛)入力しても全く引かない所もグっときました。 そうやっていつも冗談で誤魔化すんだな、って優しく苦笑いされた。 この一言で、今まで(愛)入力の度にドン引きされて変態扱いくらったのも良い思い出･･･と言えそうなくらい。 最後に目を覚ました後も、こっそり面会に毎日親友が来てたエピソードや、後輩が主人公の為にお百度参りをしたとかいう健気話まで。 ええ話や･･･。 主人公、本編中はかなり放置くらってましたけどね！ んで、結局今のところ見たのは親友ＥＤです。 目が覚めた時の、涙から鼻水までだらだらな顔を見ると･･･色々思うところはあるが許してやろうかな、みたいな(笑) しかし、例の無神経発言を本人も気にしてたのか･･･養子に入って兄弟にならないかい？と謎のお誘い。 今まで色んなゲームをやってきましたが、兄弟になろうは始めてでした。 そんな同性愛の方のプロポーズみたいな！？と一瞬思ったのは内緒です。 でもそうしたらこの先二人っきりで同居とかしてても兄弟だから、で済むから便利よねとか？将来安泰？ まああんまりそういう関係になって欲しいわけでもないですが。 濃すぎる友情が好きなのです。 だから、親友があの可愛い女の子とどうかなったとかなるかもしれないとかは考えないことにしときます。 しかし、つくづくラストエピソード並に主人公が皆から構われてれば、良いゲームだったのになーと残念でなりません。 追記。 剣持ＥＤを見ました。 微妙。 親殺されたエピソードどこ行った？ 全然解決してません。 途中の修学旅行で撮った写真ネタで彼をからかいまくる主人公はかなり好きですが。 っていうか、あの写真の時の満面の笑みはナニ？ 見た瞬間爆笑してしまいましたが、ある意味個性の強い主人公なんでしょうかね。 その後も何かあると写真ネタでからかうのは楽しかったです。 しかし、男キャラでは数少ない独り者なので好きですが･･･うーん･･･。 主人公を生贄にするときちょっと揺らいじゃうのはマイナス。 それ以外はいいかな。 ＥＤでは、力を失ったはずの主人公を戦闘の場へ連れて行ってましたが･･･。いいの？ 主人公、戦えるんでしょうか？ 彼的には認めた相手である主人公には弱くあって欲しくないみたいだったし。 とりあえず、力を取り戻すまでは守ってやるぜと言ってたけど･･･きっとあの主人公は守られるだけとか向かないでしょうね。 それこそ、お札貼ったバット振り回してだって戦うと思います。