ドラゴンシャドウスペル 発売元 フライトプラン 機種・その他 ＰＳ２ Ｓ／ＲＰＧ 6,800円 (税込価格7,140円) 2007年1月18日発売 個人的評価 総合評価 ★★★ シナリオが詰め込みすぎで微妙。色々惜しい。 シナリオ ★★ 濃厚な世界観を詰め込みすぎてややまとまりに欠ける。 グラフィック ★★★★ 可愛らしい絵柄。戦闘時のＳＤキャラも良く動いてかわいい。 音楽 ★★★★ 特に耳に残るものはないが、雰囲気にあっており○ ボイス ★★★★ フルボイス。皆上手い。 システム ★★★ 安定したシステム。ギャラリーないのは× キャラクター ★★★★ 皆、個性豊かで魅力的。 難易度 ★★★★ 戦闘が結構難しい。　 脇カプ度 ★★★ なんか『大事な人』がいるキャラが多くてちょっと・・・。 備　考 カイト 主人公。お人よしの見習い魔法使い。幼少の頃に両親を失っている。　ＣＶ：宮野真守 スイヒ 主人公の相棒のドラゴン。ぬいぐるみサイズ。結構我侭。 ジェフティ クールな皮肉屋。幼い容姿だが現場をまとめるリーダー。 ライカ 優秀だが無愛想な男。根は優しい。 ラー ぶっ飛んだ性格の男。人の話は聞かずに突っ走る。 アーサー 負傷していた主人公を助けてくれたシブイ人。 女性キャラは例によって省略〜 ここが○ オマケ程度だがキャラ別ＥＤ有り 大きい敵が迫力あり ここが× フリーパートのジャンプアクションがいやがらせ 終盤の話が打ち切り漫画のようにまとめてる ストーリー紹介 世界各地に残る魔法言語方程式…マトリクス それを使いこなす者たちはヴァリアントと呼ばれた。 そしてデモンズイコンと呼ばれる世界各地の遺跡のどこかに 至高の叡智があると言われている。 新米ヴァリアントであった主人公、カイトは 至高の叡智を巡る戦いに巻き込まれていく…
	その他・感想 買ってみました、ドラゴンシャドウスペル サモンナイトやブラックマトリクスのフライトプラン初のオリジナルタイトルです。 キャラの個別EDがあるという情報を得たので買いました(笑)。 一言で述べるなら…惜しいゲームでした。随所に於いて。 シナリオ 詰め込みすぎ！ 全10章からなる物語は…っていうか、10章しかない中にあれこれ入れすぎです。 お話としては、世界各地の遺跡をまわって真理(至高の叡智)を手に入れろ！みたいな。 一見単純なんですが、あれこれを色んな要素を詰めたおかげで結構きつい事になっています。 とにかく特殊専門用語の嵐。 ヴァリアントだのデモンズイコンだのタリスマンだのマトリクスギアだの晩餐会だ何だのと…それをのっけから「主人公は見習いヴァリアント(魔法使い)だから知ってて当然」くらいの勢いで飛ばしてきます。 主人公は知っててもこっちは知らんから！ あまりの説明設定の多さに序盤は辟易。 そもそも、現代の魔法使いってのがキャッチコピーとしてパッケージ裏に載っているんですが、主人公の持っている携帯電話以外は全てファンタジーワールドです。 1章の日本でちらっと見えた東京の高層ビル群以外はもう…ファンタジー…。 服装もずるずるローブとかだし、舟は空飛んでるし、ファンタジーな用語は飛び交うし…もう最初から異世界ファンタジー物で良かったじゃん！と突っ込まずにはいられません。 話は…話はどうなんだろうなー…。 面白い！と思えるシーンは結構あるんですが、いかんせん詰め込みすぎててわかりにくいというか…。 短い範囲で濃厚な物語を収集させるために尽力を注いでいて、細かい心理描写とか枝葉末節をざっくざっく切り落としたあらすじストーリー化してる気がします。 たまに必要な描写も省いてますし。 加えてボーナスシナリオというちょっとした補足話のプレイが任意なので、やらなかった日にゃメインストーリーで「？？？」となること必至。 主人公は空気でこそないですが、皆のリーダーでもないしストーリーを引っ張っていくわけでもないし、目的に向かってまい進するわけでもないので、キャラが立ってる割には目立たない印象でこれまた残念。 仲違いしてるキャラAとキャラBがいたとしたら、主人公が頑張って仲直りさせたりする、とかいうのがありがちですよね。 でも、この話ってAとBが対決してたら、全ての真相を知っているキャラCが出てきてネタばらしして解決とか。 主人公は傍観してるだけ、だったりして切なかったです。 もうちょっと活躍の場を〜〜〜！ そういう意味で凄く惜しい！！ キャラは男女共に結構いいんから余計に。 シズイ(主人公の幼馴染で親友)とかめちゃめちゃ好みだったのにー。 彼は凄いツボでした。 現金な話ですがシズイのEDがもしあったら、例え話が今以上にすっ飛ばしてても文句言わなかったのにー！！ あと過保護な姉も好みでした。 システム オーソドックスなS/RPG どう見てもサモンナイトです。 よく動くSDキャラが可愛らしくて好みでした。 コマンドは敵味方分かれてのターン制ではなく、素早さの高い順からってのがちょっと違う点かな。 あと、敵。 大きい！！ 普通のS/RPGって大きさの違う敵はせいぜいラスボスくらいじゃないですか。 他は主人公達と同サイズ。 ところが、このゲームではモンスターが結構な割合で大きいんですよ。 ４マス使ってるから。 大きさが人の倍以上あるニワトリとか確かに『モンスター』って感じがしますもんね。 敵によっては3×3で9マス使ってるのもいますから巨大な敵に挑む感じが出ています。 パーティリンクで連続攻撃しかけたりね。 まあ、消費ポイントが多いんでボス戦でくらいしか使わないですけど。 心獣解放シーンもしかり、かな。 その辺りはいい点。 悪いのはフリーパート。 主人公が船内やいくつかの町を回れるパートがあります。 自由に歩きまわれるんで…ちょっとブラックマトリクスを思い出したりして。 で、あちこちにお金が落ちてるんですよ。 それを空中に浮いてるブロックを飛び移りながら上に行って拾う…拾えれば。 ここが鬼です。 信じられないほどに操作性が悪い。 戦闘パートではマップがくるくる回せて視点が変えられるのに、フリーパートは画面固定です。 固定画面でクオータービューの空中に浮いてるブロックへ飛び移れなんて…無理っ！ 前後の位置関係がさっぱりわかりません。 平面にしか見えないのに実は３Dです、というか…。 何が悲しくてこんなストレス仕様にしたのやら…。 せっかくお金払ってブロック出現させたのに、肝心のブロックに登れないとあってはストレスMAXです。 グラフィック 絵柄は可愛い系。 サモンナイトちっくです。 ちなみにメインシナリオ中の演出もほぼサモンナイトです。 キャラの立ち絵だけで進行。淡白。 ごくたまにアニメーションが入るのは…たま、だからなー。 フリーパートでキャラと会話すると一枚絵が出ることが多いのはいいかも。 一人当たり一枚ですけど。 あと場面転換の時に出るアイキャッチが謎。 妙にリアルタッチで怖いです。 通常のキャラが可愛い絵柄なだけに余計に微妙な感じ。 感想 シナリオが色んな意味で惜しかったのが如何ともし難い感じです。 良さそうなネタが多かったり、キャラが良かったりするだけに勿体無い。 ボリュームが今の倍くらいあって心理描写とか細かい部分を増やしたらかなり良さそうなんですが。 キャラ別EDはオマケのようにあっさりしているのでそこに期待するとちょっとなー、という感じです。惜しい。 一枚絵とかも出ないですしね。 そもそもエピローグが短いというか。 エンディングがキャラ別とノーマル、ベスト、バッドみたいに分かれている割に選択肢とかほぼないのも微妙な点。 戦闘その他(フリーパートのアクション部分除く)は安心して遊べるいつものサモンナイト品質です。 戦闘時は演出も派手でありながらカットも出来るのでストレスたまらないし。 音楽も凄く印象に残るほどではないけれど、どれも場面に合っていていいし。 話を重視しない人ならオススメです。 ストーリー重視だと色々アレかな。 2周目で用語の数々がわかってからやり直すとまた違った楽しめ方もすると思いますが。 ちょっぴりハガレンちっくな話だなあ、と思ったのは秘密です。 2007.03.26記 ネタバレ感想 色んな意味で惜しかったゲームだなーと思いました。 一番オイオイ！と思ったのは主人公が女の子を助けるために舟から落ちるシーン。 ちなみに空中です。 主人公らしい活躍だし、さあどうなる！？とわくわくしていたんですが…章が変わって目が覚めたら何故か助けたはずの女の子はおらず…シブイおっちゃんに助けられていました。 ……何故？ せっかく見せ場の少ない主人公の活躍シーンだったのにーー。 あ、この助けてくれた人はいい人でしたけどね。 ちょっと格好良かったので、女の子がいなくなってたことに暫く気付きませんでした(笑) 偽悪的な彼はちょこっとツボでした。優しいしねー。 で、その後女の子は何事もなかったかのように、助けてくれてありがとうとかいう感じで出てきましたが…。 あの辺の繋がりは今でも謎。 ちなみに初回EDはショタ参謀でした。 頭が良くて冷静でかわいいのでついつい。 主に説明キャラでしたが、こういうクール系のキャラに弱いのです。 だから、ラー一味はライバル！！！と思ってしまいました。 将来この子はラーに仕えるのかと残念がり、ラーの事が好きっ手描写が随所に出てくるのでその度にヤキモチ妬きつつ…。 なんかさ…皆『大事な人』がいるんですよね。 落下時のシブイおっちゃんには、恩義ある人の娘が…、ショタ参謀には兄のように慕う将来自分が仕える相手が…。 主人公のことを第一に思ってくれる姉とシズイは早々に戦線離脱だし。 シズイが復活してたときは本当に嬉しかったし、こっち来いよって誘ってくれたときは本当に行きたかったです。 何故、選択肢が出ない？！ 主人公もなー…自分庇って死に掛けたシズイに冷たい。 非合法に助かったのを責めるような事言うし…。 じゃあ、死ねと言うのか…主人公庇ったせいで死にかけたのに。 姉も自分の弟を庇って瀕死の重傷を負ったシズイをあっさり見捨てたらしいし、その上で全然良心の呵責とかなさそうなが悲しかったな。 弟命でそれ以外は死んでもいい、みたいな人ではないと思うからきっと思うところとか色々あったはずなのに…その辺ALL省略ですからね。 ちなみに、舟の仲間たちは最初からえらくフレンドリーなんで絶対主人公の特殊能力を利用しようと企んでるんだと思ってました(笑)。 んで、シズイと姉が迎えに来たとき、そうでもないらしいのを知ってびっくりしました。 シズイの事ばかりになりますが、改造復活でさぞや黒く変化したのだろうと、後半の盛り上がりに期待したらただのいい人で終わってたりして拍子抜けしましたけどね。 ごめん、相棒になれなくて…って電話越しに言う主人公の序盤シーンとか萌え転がったのに。 相棒のドラゴンは結構好みだったので、ラストはちょっと泣けました。 シズイが駄目ならドラゴンかミリアムが良かったのにー、と(ミリアム死なせてしまった…好きだったのに…。でも、あの弟許す気にはなれないからベストEDは見ないつもり)。 あとテレーゼも好きでしたね。 彼女(とディーネ)の問題には主人公が珍しく活躍してたし・・・もっとラブな展開を期待したのですがミリアムといい、テレーゼといい・・・何故みんな主人公の事は好きなのに恋愛にはなってくれないんだ！！ そういえばペインキラーって名前はセンスがいまいちだと思うのは気のせいでしょうか？(笑) 話は…突っ込みたいところが多々ありますが長くなりそうなので省略。 何気に主人公が空気化してるとか、後半は無理に詰めててラーが扉の向こう側行った辺りの描写が省かれてるとか、最後がなんか適当でEDが短いとか、至高の叡智って結局何さ？とか、舟の仲間がご都合主義的に全員関係者だとか、全員トラウマ持ちの不幸設定持ちで不幸の大バーゲンセール状態だとか、不幸だったり守るものがあったら他人は踏み潰しても構わないってのはふざけるなとか、能力発動後は主人公の心理描写が省かれまくりでよくわからんとか、そもそも冒頭部分が省きすぎで故郷を守りたい理由付けが薄すぎるとか、鳥の王とかもったいぶったくせにほとんど出てこないとか、アルの最後の正体ばらす辺りとか微妙だろうとか色々。 萌えそうとか燃えそうとか思うんですが、もうちょっと…うーん、不完全燃焼。 惜しい。 もし、続編とか出るなら難解なものを無理に詰めないですっきりまとめるか、全体を長くして細かい描写をもっと見せて欲しいですね。 オーソドックスな主人公成長物でありながら、葛藤→能力覚醒→(省略)→悟りの境地、みたいになってるからなー…。 端折り過ぎじゃーーー！ あ、あとシズイと姉にEDと見せ場をクレ！(笑)